今日はDTC-ZE700の修理を行いました。オークションで動作品として購入したということで、おおむね動作には問題は無いものの、ときどきリールが空回りするという不具合を抱えています。
動作確認したところ、イジェクト時など、操作が切り替わるときに左側のリールが回転せずにモーターの高速回転する音が聞こえます。
リールが空回りするということは、アイドラーになんらかの不具合が発生していると思われます。
メカを取り出して分解すると、以前に修理が行われた形跡があり、ところどころ不必要な箇所にグリスが塗られていました。
写真の中央に写っているのがアイドラーギヤで、モーターの動力を左右リールに伝達します。モーターの回転方向によって、右または左に移動します。
アイドラーを取り出しました。ここは、ギヤの回転に一定程度のブレーキを加えるために内部にスプリングが組み込まれていて、その抵抗力によってアイドラーが自動的に左右に振れる仕組みになっています。
ところが、ギヤの回転が異常にスムーズです。おそらくここにもグリスが塗られたのでしょう。これが原因で、アイドラーがリールに接触することができずにモーターが空回りしたものと思われます。
このアイドラーの仕組みはカセットデッキにも採用されていますが、以前記事にしたとおり、テープデッキには「完全にグリップする箇所」、「滑らかに回転する箇所」、そして、「一定程度のブレーキが掛かる箇所」という箇所がありますので、やみくもに潤滑剤を塗布することは決して行わないでください。
手持ちのパーツと交換します。
動作良好になりました。SONY製DATの修理は当店にお任せください。