DTC-1000ESは、水平ローディング機構を採用していますが、構造が複雑なためか、ここに不具合が発生することは比較的多いように感じます。
今回の機体は、トレイがまったく開かないという故障を抱えています。ただし、閉まる時は極めてスムーズに動作します。
前回8/6の記事の機体はモーターが回転しませんでしたが、今回はモーターは回転するもののベルトを交換しようがプーリーを清掃しようがベルトがスリップしてしまうというものです。
モーターとウォームギヤの間のこのベルトがスリップします。指で軽くアシストしてやると動き出しますが、ウォームギヤと大きな丸いギヤのかみ合わせが固くて動かないようです。グリスの固着はありませんし、なぜ固いのでしょうか?
これはトレイが閉まっているときの状態です。さっきのモーターは、テープを挿入しイジェクトボタンを押すと動き出して、写真のようにここのスイッチがON(テープのセットが完了)になると回転が停止するようになっています。
(写真はトレイが開いた状態です。)そこで、スイッチに付いている金属のレバーを写真のように少し曲げてやりました。これでどうなるかというと、モーターが停止するタイミングが少し早まります。
ギヤが固くかみ合っていたのは、テープがセットされて白い大きなギヤがこれ以上回転できないという状態にも関わらず、ウォームギヤが回転をし続けていたことが原因です。例えるなら、ネジを締めるときに必要以上に締め付けてしまい、後から緩めることができないというのと同じです。それでモーターの停止するタイミングを早めるためにスイッチのレバーを曲げて作動するタイミングを早くしました。
これで、ギヤ同士が固くかみ合うことは無くなり、不具合は完全に解消されました。DTC-1000ESの修理はお任せください。