最近、自分のオーディオシステムで気になることがあったのですが、なかなか時間が無くて放置していました。
30年前に購入したDENONのプリメインアンプ、PMA-780Dです。症状は、右CHの音が出ないことがあるというもので、VOLを上げていくと正常に戻り、その後は普通に使用できるのですが、次の日になるとまた同じ症状になるという繰り返しです。
アンプはもう一台あるので、そうやってだましだまし使用していましたが、今日は何度VOLを操作しても調子が悪いので、意を決して修理を行うことにしました。最初はVOLの接触不良かと思い、点検しましたが問題はありませんでした。
カバーを開けたついでに、メイン基板のリレー周辺を触っていると、いきなり右CHから音が出ました。これはリレーの接点が接触不良になっているのだと思い、一旦電源をOFFにしリレーのカバーを外して接点を清掃し、再度電源をONにしたところ、「バチバチ」とスピーカーから嫌な音が出た後に基板から煙が立ち上りました。
あわてて電源を切りましたが、一体何が起こったのかわかりません。普通、煙が出た場合、どこかのパーツが焼損したということですから、復旧するためには、まず不具合個所を見つけて修理し、その次に焼損した部品を交換という手順になりますが、こういった修理は困難を極めます。
長年使用してきた愛機ですが、ここは諦め時かと思いつつ、とりあえず基板の点検を行うことにしました。
アンプをひっくり返して底板を外します。目を凝らして異常個所がないか点検します。
見つけました。半田クラックがところどころに起きています。
ちょうどリレーの前後に大型の固定抵抗がありますが、この抵抗の端子に半田クラックによる接触不良が起きていました。基板をよく見ると、茶色く変色しています。
今回の件を私なりに分析しました。まず、右CHの音が出なかったのは、抵抗の接触不良が原因です。VOLを操作しているうちに一旦復旧するのは、電流が大きくなると接触不良が一時的に改善されるためです。この現象はこれまでも他の機器で確認しています。
次に、嫌な音と煙が出たのは、基板を触ったことにより抵抗と基板の間の接触状態が変化し、絶縁状態であったものが若干接触が回復したことによる接触抵抗の増大が起こり、そこに比較的大きな電流が流れたことで熱が発生し、基板が焼けたのが原因と思われます。抵抗の大きさからみても、この部分には相当の電流が流れていると思われます。
ちょうど熱が発生しやすい接触抵抗の状態というものがあるんですね。
今回はパーツそのものには損傷が無かったので再半田により無事復旧しましたが、それにしてもアンプは大電流を扱うので怖いですね。
現在は快調に動作していますが、しばらくの間は、監視付きで運転することにします。