最近ブログの更新が滞っていましたが、この3日間ほど、PIONEERのオートリバースデッキ、CT-980の修理に取り組んでいました。
完全不動のジャンク品としてオークションで購入したのですが、初めて扱う機種です。この頃のPIONEER製デッキはほぼすべてといっていいほどキャプスタンベルトが加水分解で溶けていますので、まずは手を汚しながらのベルト交換を行いました。
これで、まずはキャプスタンが左右正常に回転するようになりましたが、ヘッド周りの動きが悪く、まだ動作不良の状態です。
このデッキは、左右リールはそれぞれ独立したDDモーターが搭載されており当時としてはかなりのハイテク仕様です。また、ヘッドと左右ピンチローラーの上下をキャプスタンの回転を利用して行うという特殊なメカニズムを採用しています。
どうもこのキャプスタンの回転を利用したメカに問題があるようで、ピンチローラーとヘッドの上下がうまく動作しません。
ヘッド周りを分解しました。
初めてのメカですので、動作システムを理解するために30回以上は「組み立てー動作テストー分解」を繰り返し、ようやく不具合の原因がわかってきました。
左右のカギ状の形をした白い樹脂製のパーツがヘッドとピンチローラーを上部に引っ張る構造になっていますが、パーツの摩耗により、引っ掛からなくなっているようです。
パーツが入手できれば簡単に治るのですが、残念ながらそれは叶わないので、今回はこれで終了、修理不可として次回の修理の部品取り機として活用することにします。AKAI(A&D)やSONYのデッキであれば、スペアパーツは豊富にストックがありますので、今回のケースのようなことがあってもほぼ100%修理可能なのですが・・・。
デッキは残念ながら復活させることはできませんでしたが、今回の経験は必ず次回の修理に生かされると思います。
それにしてもメーカーの技術者はいろんなメカを開発するものだと今回はつくづく感じました。