最近DATネタが少なくなってきたので、今日は2か月ほど前に札幌の方からいただいたDTC-55ESの整備を行いました。樹脂製ギヤの割れやメカの固着もなく、ロータリーエンコーダーのギヤも割れにくい対策品に交換してありました。
この機種やDTC-500ES、DTC-300ESについては、長期不使用品の場合、メカの固着が起きて、作動させた瞬間にギヤ割れに至ることが多くあります。そのため、分解前に動作確認は行うことはしませんでしたが、特に不具合は見つからないのでこの機体は動作品だったのかもしれません。
それでも古いグリスの除去や消耗品の点検補修など、ひととおりの整備を行うのですが、そのときに、「?」と思うことが見つかりました。
リングギアの分解清掃後に組み付けしているときのことですが、この写真の右側のテープガイドが動きません。ギヤが空回りしているような感じです。ギヤ欠けが起きているときの状態と似ていますが、完全に空回りしています。
この状態を見て、ピンときました。
写真左が取り外したものです。右側はジャンク機から取り出したものです。どこが違うかわかりますか?
それは、ここです。リングギヤの先端部が変形しています。これではギヤ同士が空回りするはずです。この部分は比較的強度が弱いため、力を入れると簡単に変形してしまうんです。
おそらく、以前修理を試みたときに誤って変形させたのでしょうが、全体的に状態が良好な機体だけに勿体ないことをしましたね。
何事も無理は禁物です。