今日はGX-93やGX-Z9100などデュアルキャプスタンモデルの整備の話です。
分解するとキャプスタンの背部には回転を安定させるための巨大なフライホイールが取り付けられています。右側の磁石が取り付けられているのが磁力で回転しモーターとなります。もう一方はベルトで結ばれ慣性で回ります。
モーターでないほうを拡大しました。こちらにはこのようにプラスチック製のワッシャーが取り付けられています。これはもちろん、本体側と接触しないように付けられています。
ところが、たまに見かけるのは、DIYで整備された機体なんですが、このフライホイールの回りが鈍いことです。よくよく見てみると、本来ワッシャーの無いモーター側の軸にもワッシャーが取り付けられています。そのため、バックプレートとの隙間の余裕が無く摩擦力が増大して回転が重くなり動作不良となります。
これは正常に組み込んだメカですが、この状態でフライホイールを指で回転させると、磁石の無い側は、ワッシャーがあるためスムーズに回転しますが、反対側は、ワッシャーが無いため、本体側と擦れてしまいます。DIYで整備した方は、おそらくこの状態を何とかしようと本来不要なワッシャーをとりつけてしまうんだと思います。
ではなぜ、磁石のある側にワッシャーが無いかというと、このフライホイールは背面のコイルの磁力によって後部に引っ張られますので、自ずと本体との間に隙間ができるため、ワッシャーが無くても本体と接触することはないんです。
ただ、他機種では両方ともワッシャーがついているものもありますので、DIYで整備される方はそのあたりを十分注意してください。