昨日、思わぬトラブルに遭遇したものの、なんとか無事切り抜けることができたTC-K555ESGですが、最終チェックの段階で再度トラブル発生です。
さっきまで快調に動作していたのですが、突然走行が停止しました。何度繰り返してもすぐに停止します。数日前に別の機体でリール回転検知センサー故障を経験しましたが、そのときとは少し様子が違います。早送りや巻き戻しでは通常に走行するのですが、再生するとすぐに停止します。そこで、テープを取り出して再生ボタンを押してみました。すると、停止せずにリールは回転し続けます。
ところが、回転しているリールを指でつまむと、トルクが非常に弱く簡単に停止させることができます。この症状は、以前、KENWOODのKX-1100Gで経験済みです。また、テープの終盤での走行停止はGX-93等にも稀に見られます。
試しに、テープを巻き戻して頭から再生してみると、停止せずに再生します。ところが、テープの中間あたりを過ぎると、やはり停止しました。
これはリールモーターの内部の接触不良が原因です。リールが高速回転しているときは、接触不良でモーターが一瞬停止しそうになっても慣性で回転し続けて接触不良が解消され、停止することは無いのですが、低速回転のときは、接触不良が解消される前に停止してしまうというものです。
このケースでの修理方法としては、「モーター交換」「モーター分解整備」という選択肢もあるのですが、ヘッドの状態などから、それほど使用時間が長くないと思われたため、今回の不具合は摩耗によるものではなく、長期不使用による接点の酸化が原因であると判断し、接点の自己回復を図ることとしました。
方法は簡単です。モーターを高速回転し続けて、内部の接点をその摩擦で清掃するというものです。
モーターに直接電源を接続する方法もあるのですが、モーターの端子が接続しにくい状態であることから、今回はテープを入れないで早送りの状態で放置することとしました。そして、定期的にリールの回転状態を点検し、回転トルクが復活したところで完了です。
修復完了です。機械ものは定期的に使用しないとダメですね。