今回は愛機DTC-55ESの修理の話です。これは私が一番最初に購入したDATデッキですが、最近はラックの端に押しのけられて、すっかり出番が少なくなっていました。
今日久しぶりに使用したところ、なぜか波打つように周期的にノイズが混入します。ノイズ混入の原因はいろいろと考えられるのですが、まずはヘッドからの信号を確認するため早速オシロスコープを接続しました。
ところが、オシロを接続したとたん、ノイズはピタリと止まり、ヘッドからの信号はもちろん異状は見られません。しかし、オシロを外すとまたさっきのようにノイズが混じります。
オシロの接続の有無で状態が変化するということは、電気的なトラブルです。ここは手っ取り早く問題の切り分けを行うため、修理待ちの別の55ESに愛機のメカを搭載してみました。結果はというと、やはり不調です。最初はメイン基板を疑いましたが、メカ周りに問題があるようです。
オシロの接続に影響を受けそうな箇所といえば、RFアンプですが、55ESでRFアンプの故障というのあまり聞いたことがありません。しかし、念のため中の状態を確認してみることにしました。
半田付けされているカバーを外して実装型電解コンデンサーの状態を点検します。22μFが2ケあります。
端子が変色しています。液漏れが起きているようです。早速新品のコンデンサーに交換し、テープを再生してみます。
今度はオシロを接続しなくてもノイズが混入することはありません。
オシロの接続と不具合との関連性ですが、はっきりした説明はできませんが、液漏れした電解コンデンサーの容量低下分をオシロを接続することによりそれが補われ、一時的に正常な状態に復旧したものと考えています。
55ESでRFアンプの故障とは今回初めて経験しましたが、発売から約30年が経過しようとしていますので、あちこちにガタがきてもおかしくはないですね。