2週間ほど前にPIONEER D-05の修理依頼をいただいたお客様から今度はDTC-ZA5ESとPCM-7030の修理依頼をいただきました。
PCM-7030は後ほど記事にすることとして、今回はDTC-ZA5ESです。
不具合の状況ですが、「テープを再生してもすぐに停止する」ということです。
カバーを開けて状態を点検します。テープを挿入するとテープがローディングされ、再生ボタンを押すとヘッドが回転しますが、
右側のリールが回転せずに停止してしまいます。
早速メカを取り出して修理に移ります。トレイ開閉用のベルトは少し伸びていましたので交換しました。
メカ底部の基板を取り外すと構成ユニットが現れます。
2DDリールメカとキャプスタンモーターを取り外します。
リールメカのブレーキが当たる部分にパッドが剥がれて貼り付いています。また、写真左側のリール(本体取り付け時は右側)は固着しています。
写真左側リールはブレーキが貼り付いて動きません。パッドの交換を行う必要があるため力を入れて回転させるとやはりパッドが剥がれて貼り付いています。パッドはフェルトのような材質でできていますが、湿気や長期間不使用などの条件により固着が発生します。
ブレーキを分解します。パッドがボロボロになっています。
パッドを貼り替えて元通り組み立てます。
リングギヤも分解し、古いグリス除去と再グリスを行います。モードベルトは新品交換です。
メカを組み付けて本体に戻し試運転を行います。動作OKです。
テープパスの点検もOK、各モードでの録再チェックを行い修理完了です。