当店では、このところPIONEERのDATの取り扱いが増えていますが、テープのローディング時に稀に発生する「ギー」という異音が気になっていました。それでもこれまでは操作しているうちに解消されましたので、修理にまで至ることはありませんでした。
しかし、今回取り扱いしたD-05は、何度操作を繰り返しても「ギー」という音が解消されません。
メカの動きを観察すると、テープをローディング時には本来固定しているはずの右側リールがなぜか回転し、その際に異音が発生しています。これは修理するしかありません。
メカを取り出してトレイユニットを分離します。
リールユニットは黒いビス4本で固定されています。
ロータリーエンコーダーとゴムベルトを取り外します。
ビスを外すとリールメカが分離できます。上下さかさまの状態で作業すると、リールメカを構成しているパーツがバラバラになりますので注意が必要です。
リールのこのギヤに、
この爪が引っ掛かってリールが回転しないように固定するはずが、リールが回転してしまい、「ギー」という音が発生します。しかし、なぜ不具合が起きているのかがわかりません。
そこで、正常動作しているD-05を分解して、リールユニットの比較をしてみることにしました。すると、
一か所だけ異なる箇所を発見しました。写真中央に写っているスプリングの位置が異なっていました。写真右は元々の位置、写真左は正常動作品と同じ位置に掛け替えた状態です。
これだけのことで、異音は発生しなくなりました。今回、異音の発生とスプリングの位置の関連性についてははっきりした理由はわかりませんでしたが、近いうちに検証をしたいと思います。