年末年始にかけて修理を終え、お客様の元にお届けしたDTC-2000ESですが、到着した数日後に「修理前と同じ症状が発生する」とご連絡をいただきました。
症状というのは、「テープを挿入するとCAUTION表示となり操作不可となる」というものですが、特定のテープにのみ発生するということです。また、お持ちのテープすべてを確認したところ12本が同様とのことでした。
特定のテープにのみ不具合が起きるということは、テープが原因であると思われましたので、まずは12本すべてをお送りいただきました。
テープが到着して???と思いました。なぜなら、不具合が発生したのはすべてKAO社製のテープだからです。
DTC-ZA5ESで確認します。やはりCAUTION表示が出て操作不可となります。テープに不具合が起きています。
DATのカセットは、埃が入らないようにできています。テープの裏側の左右リールの穴の斜め上にあるツメを押し込むと、カバーを開けてテープの状態を確認することができます。右写真の状態でリールのロックも外れて指で回すことができます。ただし、リールの回り具合を点検したところ、巻き取る方向にはまったく回転しません。逆回転は回るのですが・・・
原因が分りました。テープがカセットに接触するこの部分に貼り付いていました。しかも両側とも貼り付いていますので、テープがピンと張られた状態となっていて引っ張っても剥がれてきません。
仕方なく、カセットを少しバラシて隙間を大きくして、その先にピンセットを差し込んでようやく剥がすことができました。
固着していた箇所はアルコールを浸み込ませた綿棒で拭き取ります。
正常にテープ走行するようになりました。
12本すべて不具合を解消しました。同じメーカーのテープで同じ不具合が起きたということは、テープかケースに含まれる何らかの成分が悪さをしたのでしょうね。
テープを長期間不使用で保管するときは注意が必要ですね。