お客様からPIONEERのカセットデッキCT-9の修理についてお問い合わせがありました。CT-9は私も所有していますので、お聞きした不具合の状況から原因をある程度特定するために、数か月ぶりに使用することになりました。
ところが、再生は問題ないものの、早送り、巻き戻しがうんともすんとも言いません。なぜでしょう?
カバーを開けて思い出しました。この機種は、リールの回転は「再生」はキャプスタンモーター、「早送り・巻き戻し」は専用のリールモーターで駆動されています。ということは、このリールモーターに原因があるということです。
モーターの端子で電圧を測定すると、約10Vが印加されていますが、モーターは回転しません。そこで、モーターの軸を指で回してみると、非常に回転が重いことがわかりました。
モーターを取り外して分解すると、中からモーターが出てきました。マトリョーシカみたいな造りです。
さらに分解しました。軸受けの部分が固着しています。ここにシリコングリスを塗布し、元通りに組み立てます。
復活しました。モーターの固着なんて初めてですが、良い経験をしました。