TEACのカセットデッキ、V-870の修理依頼をいただきました。
3ヘッド、デュアルキャプスタンを装備した高性能デッキです。
20年ほど前に早送り巻き戻しが出来なくなりヘッドブロッ
キャプスタンは回ってい
キャプスタンベルトは加水分解により溶けてモーターのプーリーに巻き付いています。
ヘッドやピンチローラーの上下を駆動するベルトも同様です。
初めての機種ですので、メカを本体から取り外すのには一苦労です。メカ上部にビスが2本、下部も2本かと思ったら下部は3本でした。これに気が付くのに10分以上掛かりました。
何はともあれメカを取り出すことができました。次回以降は3分以内で取り外すことができます。
まずはモードベルトの交換です。なぜかプーリーの回転が非常に重くなっています。
それもそのはずです。シャフトに塗られたグリスが乾いて固まっています。
洗剤と歯ブラシで溶けたベルトが付着したプーリーをクリーニングしました。
次はキャプスタンベルトです。キャプスタン取り外します。
ゴムベルトがこびりついています。
続いてリールユニットを取り外します。右写真中央に見えるのが左右リールを回転させるアイドラーです。
寸法は外径10mm、内径6mm、幅2mmです。ゴムが固くなっていますので交換します。
部品が入荷しました。
組み立てていきます。キャプスタンベルトは径80mmです。
ピンチローラーのサイズは、左が径9mm、幅8mm、穴径1.5mm、右が径10mm、幅8mm、穴径1.5mmです。代替品はありませんので表面を研磨し専用クリーナで処理します。
取り付けました。左側ピンチローラーは調整式になっていますので、脱着後はテープパス調整が必要です。
オートテープセレクターの検出スィッチは、目の細かい紙やすりで接点を研磨します。
本体に組み込んで試運転です。テープ走行、音出しOKです。
ミラーカセットでテープパス点検を行おうとしたところ、プレートが邪魔で見られません。と思ったら脱着式でした。
テープ速度は2%ほど遅くなっていました。右は調整後です。
ヘッドアジマス調整を行います。グラフにふらつきが少ないのでテープ走行が安定しているのがわかります。
録再バランス調整を行います。
写真を撮り忘れましたが、RECVOLとHEADPHONEVOLのガリ修正を行いました。フロントパネル脱着はコツが必要です。
完成しました。本機はオーナー様の思い入れのあるデッキということで、無事復活させることができて一安心です。