カセットデッキもDATデッキもテープを安定して走行させるためにピンチローラーを使用しています。
ピンチローラーは基本的にはゴムが用いられていますので、経年劣化を免れることはできず、劣化により硬化しテープ走行の乱れや音飛び(DAT)などが発生します。
当店で扱うカセットデッキもDATデッキも製造されてから20年以上経過していますが、日常のメンテナンスの有無や温度・湿度などの使用環境によって劣化度合いがかなり異なりますし、過去の修理の際に既に交換されている場合もありますので、オーナー様の希望がある場合を除き、ピンチローラーは実際の状態を見て再利用か交換かを判断しています。
それでは実際、どれくらい硬化が進行しているのかを測定するため、今回「硬度計」を入手しました。AMAZONで2000円ほどで購入できます。
使用方法は簡単です。硬度計の先端を押し付けるだけです。ただし、押し付け方で多少値が変わるので何回か測定する必要があります。写真は3mm厚のゴムシートですが、74を示しました。数字が大きいほど硬いということになります。
続いて新品のピンチローラーです。これも74です。これくらいの値が基準となるようです。
続いて修理中に目視等で「要交換」と判断したものです。78です。
最後は、カチカチに固まってテープがスリップしていたDATデッキのピンチローラーです。84と非常に大きな値を示しました。
計測値はゴム厚や測定箇所によって若干の幅が見られるようですが、今回の実験から、交換の指標とできることが確認されましたので、今後はこれまでの目視点検に加え、この硬度計での計測結果を踏まえ交換の是非を判断したいと思います。