先月初めに修理を終えオーナー様の元にお送りしたDTC-2000ESですが、今度は別の不具合が発生したとご連絡をいただきました。
具体的な症状としては、テープを挿入後にCAUTION表示は出ないものの、イジェクト以外は操作不能になるというものです。ただし、何度か繰り返しているうちに正常に戻り、その後は何もなかったように動作し続けるということです。しかし、少し置いておくとまた同じ不具合が発生するということです。また、AMSにも動作不良が見られるということです。
常時発生しない不具合の原因はコネクタやスィッチの接触不良が疑われますが、今回はどうでしょうか?
テープを挿入して動作を目視点検します。通常、テープをローディングした後、テープのたるみを解消するために、自動的に右方向にリールが少し回転した後に左方向に回転するのですが、左方向に回らずに停止してしまいます。誤作動が起きているようです。これは接触不良が原因ではありません。
再生ボタンを押すと、テープがまったく走行しません。キャプスタンモーターが回転していないようです。
不具合個所の特定を行うために、私が所有しているDTC-2000ESにお客様のメカを接続してみました。やはり同じ不具合が発生します。ということは、メカ底部の基板に故障が起きているということになります。
基板実装型の電解コンデンサーの液漏れが無いことは前回の修理で点検済みですが、容量抜けが起きている可能性があります。
10ケすべてリードタイプに交換します。
不具合は解消されました。AMSも正常に動作するようになりましたが、念のためもう一日様子を見てからオーナー様のところにお送りします。