当ブログでもこれまで数回登場しているPIONEERの3ヘッドカセットデッキ、CT-970の修理依頼をいただきました。
オーナー様のお話では、以前キャプスタンは回転していたが、電源が入らなくなったとのことです。
ところが、電源は正常にONになりました。ただし、キャプスタンは右側は回転しますが左側は回転しません。
メカを取り出すためにはフロントパネルの脱着が必要です。
これらコネクタを外します。それぞれ形状が異なりますので間違う心配は無いのですが、右写真のように、単線を接続しているところが4箇所あり、どの色がどこかということを記録しておく必要があります。
メカは前部2、内部底面1、外部底面1か所の計4箇所で固定されています。メカをひっくり返すと、やはりベルトが溶けています。
ベルトを交換するためにはメカ最後部の基板とフライホイールを支えるバックプレートを外さなければなりません。
作業の支障となるので、ロータリーエンコーダーやトレイのダンパーなども脱着が必要です。
写真右側にのみスペーサーがあるので注意が必要です。左側はマグネットで後ろ側に引っ張られますのでスペーサーの必要はありません。
ゴムカスを除去し、ベルトを掛けます。AKAIのGX用がピッタリです。
続いてリール周りのメンテナンスに移ります。
ベルトは変形していますので交換します。
リールを回転させるにはこのアイドラーが重要ですが、ゴムがかなり固くなっています。
厚さは若干薄くなりますが、代替品と交換します。
リールのブレーキも硬化していますので、シリコンチューブを代替品として使用します。
ピンチローラーは表面を軽く研磨し専用クリーナーで処理します。
メカの整備が完了しましたので、本体に組み付けて調整に移ります。
ピンチローラーの脱着を行いましたので、テープパスの点検調整を行います。
テープ速度の点検、
ヘッドアジマス調整、録再バランス調整を行います。
操作ボタンのクリーニングを行います。
完了しました。動作音質共に良好です。