2年ほど前に当店で修理したDTC-500ESがローディング不良になったとのご連絡をいただきました。テープを挿入してもまったく無反応で、カセットハウジングのランプが点灯もしないとのことです。
無反応ということは、テープ検出スイッチの接触不良が疑われます。
テープは吸い込まれますが、その後一切動作しません。
早速カバーを開けて点検します。
カセットが収まるところの両隅に白い四角の小さなスイッチがあります。ここが接触不良となって動作不良が起きます。しかし、実際は他に問題を抱えていました。この時に気づけば遠回りをせずに済んだのですが・・・・
このスイッチに微量接点復活剤を浸透させ、割りばしの先で数十回つつきます。これで大抵のものは回復するのですが、なぜか一向に改善される気配がありません。カセットを押し付けると動作しますが、手を離すと停止してしまいます。また、カセットを取り出すときにテープが内部に引っ掛かってしまいます。
テープが中に引っ掛かるというのは、イジェクト時に左側のリールが巻き取っていないということになります。そこで、左側リールをもう一度見てみると、
先ほどの写真ですが、パーツが脱落しています。
リールはこういう構成になっています。これらパーツが脱落して、ちょうどカセットが収まる場所にはまり込んでいたのです。その結果、脱落したパーツが邪魔になり、テープが浮いた状態でセットされ、検出スイッチがONにならなかったというわけです。また、左側リールの回転部分が無くなったので、テープを巻き取ることができず、テープが内部に引っ掛かったということになります。
正常に作動するようになりました。巻き取りが弱いので調整を行い修理完了です。