TEACのオートリバースカセットデッキR-888Xの修理です。
発売当時の価格は99800円ですから高級機に分類されます。
電源をONにするとモーター音が耳障りです。おそらくキャプスタンベルトが切れて高速回転しているのだと思われます。操作はまったく受け付けません。
カバーを開けます。メカの上部には横長のプレートが取り付けられていて、上からは直接メカを見ることができません。
メカはこの頃のTEAC共通のものです。右側面にはdbx基板が取り付けられています。
メカは上部のプレートと底部のビス2本で固定されていて簡単にとりだすことができます。似たようなコネクタがありますが、位置がまったく異なりますので間違うことはありません。
メカの全体像が見えました。
最初に目につくのがここです。モードベルトがたるんでいます。外そうと思ったらボロボロになっていました。
プーリー軸に塗られたグリスが固まって回転が非常に重くなっています。清掃し再グリスします。
ベルトが溶けて付着しています。洗剤と歯ブラシで綺麗にします。ベルトは径55mmといったところです。
次はキャプスタンベルトです。酷い有様です。
完全に溶けています。これも洗面台で洗剤と歯ブラシを使って綺麗にします。
リールモーターです。小さなアイドラーゴムが見えます。
アイドラーゴムは状態の良し悪しに関係なく問答無用で新品交換します。外径10mm内径6mm幅2mmです。
キャプスタン軸にグリスを微量塗布し組み立てていきます。オートリバースですのでベルトの掛け方に注意です。サイズは径80mmです。
ヘッド周りは専用クリーナーを使用します。
新品と見違えるほどきれいになりました。
テープセレクターの検出スイッチの清掃を行いメカの整備は完了です。
テープ速度はキャプスタンモーター背面のトリマーで調整します。
ここからが苦労しました。バイアスキャリブレーション機能が搭載されているのですが、マニュアルが無いため使用方法を理解するのに大変時間を要しました。
完了しました。