以前当店でSONYのDATデッキを修理したお客様から、別のデッキの修理依頼がありました。
PIONEERのD-05です。症状は、使用後テープを入れたままで3週間後にイジェクトすると、テープがカセットに収納されずに出てくるというものです。ただし、連続して使用しているとその症状は現れないということです。
最初にそのご連絡をいただいたときに困惑しました。なぜなら、修理を行った後、3週間経過しないと修理の検証ができないからです。
そのことをお客様にお伝えすると、「日数が掛かるのは問題ない」ということでしたので機器をお送りしていただくことになりました。
試しにテープをローディング後に取り出してみましたが、やはり不具合は起きません。いずれにしても接触不良が今回のトラブルの原因ですので、思い当たる箇所はひとつしかありません。
カバーを開けてメカを取り出します。
PIONEERのDATの故障の9割以上はRFアンプとトレイベルト、そしてこのロータリーエンコーダーです。
接点を点検すると、かなりの汚れが見られます。清掃し、軽く研磨後に専用グリスを塗布し、元通りに組み立てます。
本体に組み付けて正常に動作することを確認します。そしてテープをセットして3週間後に検証を行います(つづく)。
【以下2019/7/23追記】
今日は7月23日です。修理から3週間経過しました。
コンセントを接続し電源をON、緊張の瞬間です。3週間前にセットしてあったテープは無事イジェクトされるでしょうか?
無事カセット内にテープは収納されています。これをもって修理完了と判断します。