今日はTC-K333ESGのメンテナンスです。
(写真はニチコン製に交換済みです)333に限らず555ESGでも同じですが、この機種では録音・再生・ヘッドホン基板上のELNA製オーディオ用電解コンデンサーの液漏れがほぼ100%の確率で発生しています。そのため、メンテナンスに当たっては一旦基板を本体から取り外すといった作業を伴います。
その際には、基板に接続されている電源コネクタ(右写真:青赤黒)の脱着を行うことになりますが、ここで一点注意しなければならないことがあります。
それは、このコネクタを外した状態で電源を入れないことです。
先ほどのコネクタは、電源基板のこの奥に接続されていますが、手前に巨大な電源用コンデンサーがあります。ここには電源ON時には16Vの電源が印加されているのですが、先ほどのコネクタを外した状態で電源をONすると、電気の逃げ場がないため、電源をOFFにした後でも16Vの電圧がこのコンデンサーに蓄えられています。
その状態で、コネクタを接続するとどうなるかというと、再生基板に突入電流が流れて、
写真中央に見える黒いトランジスタのような形をした、過電流保護素子ICP-N20が断裂します。そうすると、「テープ走行はするが音が出ない」といった状態になります。
私もこれまで何度か経験しましたが、コネクタが未接続のまま電源をONにしてしまった場合は、一度コンデンサーに蓄えられた電気を開放する必要があります。
おそらくESGに限らず、ESシリーズでは共通の注意点と思われますので、ご自分で整備される方は十分留意の上作業を行ってください。