続いて、3台まとめて修理依頼をいただいたうちの2台目、SONYのDATデッキ、DTC-ZA5ESです。
電源を投入すると、リールモーター?の回転音が鳴り響き、3秒ほどで「CAUTION」となってしまいます。
天板を開けてメカを観察します。右側のテープガイドが上がったままです。内部で何が起きているのでしょうか?ギヤ欠けが心配です。
メカを取り出しました。ピンチローラーが脱落して底に転がっていました。樹脂製留め具の劣化により発生するもので、この機種と姉妹機のDTC-A8に多く見られます。
メカをひっくり返し、基板を取り外します。
リールユニット、キャプスタンモーターを取り外します。
テープガイドを固定するワッシャーが両側とも外れ、分解しています。これではまともに動きません。
リングギヤ周りを分解します。
古いグリスを除去清掃します。
リングギヤ1枚目を取り付けます。テープガイドとの連結部には右写真のようなワッシャーをはめ込みます。
リングギヤ2枚目を取り付けます。先ほどと同様です。
左右テープガイドの位相を合わせた状態でギヤを組み込み、新品のベルトを掛けます。
リールユニットの点検を行います。この状態でブレーキが掛かっていますので、指でリールを回して、一定程度抵抗感があれば正常ですが、左側のブレーキが甘くなっています。
分解します。
やはりパッドが剥がれていました。両方とも貼り換えます。
スプリングの力を利用して接着部を圧着します。乾くまで放置します。
元通りに組み立てていきます。
カセットホルダーを取り外します。
脱落していたピンチローラーを取り付けます。留め具は割れて紛失していますので、細いビニールチューブで代用します。
このカセットホルダーは、プラスチック同士が擦れる箇所の摩擦で開閉の不具合が起こります。シリコングリスを塗布し予防します。
メカが完成しましたので本体に組み付けます。
テープ走行、音出しOKです。
各モードでの録音再生状態を確認し、修理完了です。