先日、当店でCT-770を修理されたお客様からSONYのTC-K222ESAの修理依頼をいただきました。
イジェクトボタンを押すと、モーターが2・3秒「ウー」と回転する音が聞こえますが扉は開きません。
早速修理に移りますが、この機種と222ESLは、必ずやらなければならないことがあります。
基板の中央部に銅板のアースが取り付けられていますが、基板を取り外して裏返すと、
銅板の半田が割れています。銅板の伸縮により発生すると思われますが、放置しておくと回路トラブルを引き起こします。強度を上げるために半田を盛ります。
ついでに入出力端子の半田付け箇所も補強します。この機種に限らず接触不良が起きやすい箇所です。
空っぽになりました。メカを取り出してメンテナンスを行います。
ホルダー等を切り離します。左側ピンチローラーアームを取り外す前に、元々の位置を測定します。これでこのメカに起こりやすいシャフトの抜けの有無もわかります。
ピンチローラー、アイドラーを取り外し、キャプスタンモーターを分離します。
基板を取り外して電解コンデンサーの端子を点検します。
腐食しているのがわかります。このまま放置しておくと不動になります。
基板も液漏れで侵されています。アルコールで清掃後、リードタイプのコンデンサーを取り付けます。
フライホイールを取り外し、シャフト部にグリスアップします。
ベルトも交換し組み立てます。
続いてフロント部です。モーターブロックを切り離します。
ベルトがフニャフニャになっています。新品を取り付けます。
ロータリーエンコーダーを取り外します。
分解し、
汚れた接点を研磨清掃します。
テープ検出スイッチのカバーを慎重に外します。簡単に破損しますのでコツが必要です。
汚れた接点を清掃します。
モーターを元に戻します。
専用クリーナーでピンチローラーを処理します。
メカのメンテナンスが完了しました。
基板とメカを本体に戻します。テープ走行&音出しOKです。
点検調整に移ります。テープ走行状態を目視点検、テープ速度のチェックを行います。
アジマス調整を行います。
バイアス調整を行い、
入力と出力のレベル合わせを行います。
CDを録音再生モニターします。良い音です。
完成です。