先日、オークションに出品していたGX-Z9000整備品に対して質問がありました。「いつも使用しているテープに合わせたバイアス調整をすることは可能か」というものです。
録音時のバイアスは、使用するテープによって調整が必要となりますが、バイアス量と録音レベルは相関関係(周波数特性を変えるためにバイアス調整を行うと、レベルも上下する)にあります。
GX-Z9100以降のモデルであれば、キャリブレーションシステムにより、メーターを見ながらバイアス量とレベルを短時間で調整することができますが、GX-Z9000は、バイアスツマミで音質を調整後に、RECVOLで音量調整を行う必要があり、少し面倒です。ただし、いつも同じテープを使用するのであれば、予めそのとおりにセッティングすることにより、その煩わしさから解放されます。
質問に対して「可能です」と返答したところ、ほどなくして、その方から入札があり落札されました。
このデッキです。調整に当たっては、お客様がいつも使用しているテープをお送りいただけるということです。
2日ほどで到着しました。TDKのクロムポジションテープ、CDing2です。
調整を行う際は、走行が不安定なテープトップは避け、ある程度テープを巻き取ってから行います。
バイアス調整の方法ですが、その前に、ヘッドアジマスに狂いが無いことが前提となることをご留意ください。
パソコンで315Hz、1000Hz、10000Hz、12500Hzのサイン波を出力します。それをDAコンバーターでアナログ出力し、デッキのINPUTに接続します。デッキのOUTPUTには別のパソコンを接続し、録音再生モニターで入力と出力の各周波数のレベルが同じになるように合わせます。
バイアスツマミはセンター固定です。
各周波数において入力のグラフが出力のグラフと同一になるように、
基板上のバイアスツマミとRECLEVELツマミで調整します。
dbxがONとOFFの両方で調整を行います。
完了しました。