先日、KENWOODのカセットデッキKX-9010の修理をしたのは、以下記事のとおりです。
記事には書きませんでしたが、その時の修理の際に、お客様から「部品取り機」として、別のKX-9010(故障機)も一緒にお送りいただきました。
しかし、その部品取り機も同じ不具合(リールモーター故障)を抱えていたので、部品取りとしての役割を果たす機会はなく、結局、当店で買取りすることとなりました。
昨日、少し時間が取れたので、その買取りしたKX-9010の修理を行いました。上の記事とまったく同じ修理です。リールモーターも分解し、内部接点の清掃を行いました。
そうして修理が完了したので、動作テストや調整を行ったところ、
動作は良好なのですが、テープ速度が周期的に大幅に変化します。
CDを録音してみると、かなりのワウフラッターです。これでは使い物になりませんので、なぜ、そのような状態になったのか考えました。
考えられるのは、「モーター内部接点の接触の不安定さ」です。分解し、接点の清掃をしたものの、回転する接点同士が常に安定した接触となるためには、モーターの慣らし運転が必要ではないかということです。
そこで、テープを抜き取ったカセットをセットし、早送り状態でほぼ1日放置しました。
さあ結果はどうでしょうか?・・・見事速度の乱れは無くなりました。最近、慣らし運転という言葉は耳にすることは無くなりましたが、メカにとっては大切なプロセスだということを改めて実感しました。