今日は「再修理」に関する記事です。当店では、一度修理を行った機器の「保証期間内の再修理」は、月に1件あるかないかという程度ですが、そのほとんどは、今回のような「修理時に再現されない(再現しずらい)隠れた故障」に関するものです。
先月当店でキャプスタンモーター交換等を行ったGX-R70EXですが、「長時間再生するとリバース時にリールが回らない不具合が起こる」というご連絡をいただきました。
修理時には再現されなかった不具合でしたので、少しの間、様子を見ていただきましたが、再発するとのことでしたので、一旦機器を戻していただきました。
リバース動作確認用とし使用している10分テープを1時間ほどかけて再生を行いましたが、あいにく不具合は起きませんでした。しかし、今回のリールが回転しないという症状は、少し前に修理したGX-Rと同じです(タイトルをクリックすると記事にジャンプします)。
早速メカを降ろし、カセットホルダーを切り離し、
リール周りのパーツを分解し、アイドラーの状態を確認します。・・・やはり割れています。前回のものと色は異なりますが、割れやすい同じ材質です。
前回とは異なり、スペアパーツがありませんので、弾力性のある接着剤で割れた箇所を補強し、クリップで挟み1日以上乾くのを待ちます。
接着剤が乾いたので、元通り組み立てます。
しかし、本体に戻して動作テストを行ったところ、動作には問題は起こらないのですが、「ゴトゴト・・・」と使用に差し支えるほど大きな異音が発生しています。
再度分解し、アイドラーの状態を点検します。割れたところに微妙な段差ができて、ギヤ部分の回転が滑らかではないようでしたので、
ジャンク機からアイドラー(これも割れています)を取り出して、先ほどと同様に接着補強したものを取り付けます。
古い機器ですので多少の動作音はしますが、今度は大丈夫です。あとは、10分テープを今日1日再生し、問題が起きないことを確認します。
朝から晩まで連続再生しましたが、一度も停止することはありませんでしたので、修理完了と判断します。