少し前にTD-V931を修理されたお客様から、今度は2台、カセットデッキの修理依頼をいただきました。1台目はタイトルのKX-880G、もう一台はTRIOのKX-880SRですが、後者の修理については、後日記事をアップします。
2ヘッド、シングルキャプスタン(DDモーター)のオーソドックスなデッキです。
操作ボタンを押すと、ディスプレイに表示が出るものの、メカはまったく反応がありません。
メカを取り出すために、カバーを開けて、
フロントパネルを取り外します。メカは正面4箇所、底面2か所のビスで固定されています。
Sankyo製のメカです。
このリーフスイッチの接触不良が最も疑わしい原因です。
トレイを切り離し、
ヘッドブロックを押さえているプレートを外します。
するとビスが現れます。このビスが、
モーターで駆動されるギヤを固定していますので、ビスを緩め、
モーター、ギヤ、リーフスイッチをセットで取り出して、リーフスイッチの接点を清掃します。
このカムモーターは常時回転しないので、内部の接点に接触不良が起きている可能性があります。そこで、直接電圧を加え、1時間ほど空転させます。これにより接点の接触が自己回復します。
仮組し、動作確認を行います。正常にテープ走行しましたので、メンテナンスを継続します。
テープがセットされたことを検知するスイッチです。接点を清掃します。
こちらはテープポジション検出スイッチです。分解し、接点を清掃します。
ピンチローラーを新品交換します。径13mm、幅8mm、穴径2mmです。
メカを元通りに組み立てて、調整に移ります。まずは315Hzのテープを再生しテープ速度を点検します。まったく狂いはありませんでした。
ヘッドアジマスを調整します。
録再バランスです。左は入力、右は録音再生したものです。傾きが大きく異なっているのは、録音バランスに狂いがあるからです。
内部のトリマーを回して入力と同じ波形になるよう調整します。
最後にCDを録音し、再生状態を確認します。
修理完了です。