今日はYAMAHAの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、KX-1000の修理を行います。
約1年ぶりのKX-1000です。状態は「不動」です。
カバーを開けました。キャプスタンベルトが溶けているのが確認できました。
メカの整備を行います。
参考までに上下左右の写真を掲載します。
まずはキャプスタンベルトの交換です。モーターとバックプレートを取り外します。ベルトが溶けてベトベトです。
アルコール清掃します。
一連の工程になりますので、テープセレクターのスイッチを分解し、接点を清掃します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗って、新しいベルトを掛けます。径80mmです。
次は、メカの動作状態を検知するスイッチを分解清掃します。
カセットホルダーとパネルを取り外します。
バックテンション用ベルトも溶けています。新品交換します。折長40mmです。
アイドラーゴムを新品交換します。
次はピンチローラーです。
脱着してローラー部分を新品交換します。SONYのESデッキと同サイズです。
メカを本体に戻して動作テストを行います。良好です。
フロントパネルを外して、若干ガリが起きているスライドVOLとヘッドホンVOLに接点復活剤を施します。
調整に移ります。テープ速度を調整します。
ヘッドアジマスを調整します。
再生バランスを点検します。
今回の特別オーダーです。普段オーナー様がお使いのテープにバイアスを合わせます。ツマミをセンターに固定し、
パソコンで315Hz、1000Hz、10000Hz、12500Hzの信号を発生させ、それを録音し、フラットに再生されるように基板上のトリマで調整します。高域は再生時にグラフが上下し、グラフのみで合わせると高域が出すぎる場合がありますので、聴感と併せて作業を進めます。
いつも聴いているCDを録音し、音質を確認します。
完成しました。