今日は一昨日に続き、SONYのDATデッキの修理を行います。
この機種も多くのウイークポイントを抱えています。
トレイ開閉しますが、ディスプレイが点灯しません。おそらく電源の故障です。
早速カバーを開けて点検します。
予想通り、6800μF/25Vの電解コンデンサーは黒いタイプのものが取り付けられています。
表面上は、ダメージが無いように見えましたが、裏返すと大変なことになっていました。通常、多少の基板損傷は、バイパス線で修復するのですが、これは諦めるしかありません。
同じ57ESのジャンク機から移植します。59ESも同じような基板ですが、記憶では互換性が無かったはずです。
さあどうでしょうか?復活しましたね。
これでようやくメカのメンテナンスに移れます。悪名高いスポンジ製のヘッドクリーナーが見えます。
トレイを切り離します。
スポンジは変質し、ボロボロです。カスがヘッドにこびり付いていますので、清掃を行い、ヘッドの目視点検を行います。
ピンチローラーは弾力がありますので、専用クリーナーで清掃処理します。
メカを裏返し、基板とリールユニットを切り離します。
可動式のテープガイドが所定の位置まで動くことができません。プラスチック製のガイドレールが変形したのが原因です。
テープガイドの支点部を固定する留め具が割れて今にも外れそうになっています。金属製のEリングに置換します。
この黒いガイドレールを削ります。
所定の位置まで動作するようになりました。
続いてリールユニットですギヤがスムーズに回転するよう、グリスアップを行います。
リールも分解し、内蔵されているスプリング部にグリスアップします。
57ESでは必ず点検しなければならないのが、メカ後部のRFアンプです。
ヘッドの信号を処理する役割を担っています。分解し、
電解コンデンサーの端子部が曇っているのは液漏れが起きている証拠です。
基板にもわずかに影響が及んでしますが、清掃し、リードタイプのコンデンサーを取り付けます。
メカを本体に戻して動作テストです。一発で動作しましたが、片チャンネルから音が出ません。端子部の接触不良が起きています。
基板を取り外し、端子部すべての箇所に再半田を行います。
ヘッドホンVOLのガリは接点復活剤で処置します。
入出力別・モード別の録音再生状態を確認し、修理完了です。