今月2台目のDTC-1500ESです。
先日修理した1500ESと同じお客様の予備機ですが、トレイが開かないなど、いくつかの不具合を抱えています。
電源をONにすると「ウィーーーーン」とモーターの音が鳴りましたが、イジェクトを押しても無反応です。
カバーを開けます。ドライブボードの電解コンデンサーは交換済みのようです。
メカを取り出すときに、ピンチローラーが外れました。樹脂製留め具が劣化により割れたせいですので、後ほど処置します。
メカを裏返しました。モードベルトが切れてどこかにいってしまっています。
整備に移ります。抜け落ちたピンチローラーは、細いチューブを留め具の代用品として使用し、先端部を接着します。
ヘッドクリーナーも既に形がありません。不要なアームは撤去します。ヘッドの下部がクリーナーにより侵されていますが、テープが触れる場所ではないので問題ありません。回転ヘッドの上部にダメージはありません。
基板を取り外して構成ユニットを分解していきます。
リングギヤに固着が見られますので分解を進めます。
古いグリスが固まっています簿で、CRCで除去し、機械油やシリコングリスを塗布します。
ギヤを組み付けます。シャフト部には異音防止のためグリスアップします。新しいベルトをプーリーに掛けます。
リールモーターです。パッドの固着等は見られませんが、ブレーキの効きが今ひとつです。
分解してパッドを張り替えます。
元通りに組み立てます。
仮接続し、動作テストを行います。動作は良好です、
しかし、オーナー様のお話では、この機体には別の不具合もあるとのことです。当店い到着後は症状の再現はありませんでしたが、以前、勝手に録音モードになるという誤作動が起きたことがあるということです。
こういった、たまにしか起こらないという再現性の低い不具合の修理は、原因を突き止めることが困難ですので、当店では修理不可扱いとしておりますが、リモコン受光部の不具合によって誤作動がきることがあること、及び、前回修理した1500ESのリモコン受光部に不具合が見つかったことなどから、念のため点検を行います。
フロントパネルを外し、
受光基板です。基板上のコンデンサーの端子が汚れていますので、液漏れしています。
わずかに基板に影響を及ぼしていますが、断線等はありません。新しいコンデンサーを取り付けて、リモコン動作の確認を行います。
録音再生テストを行います。
完成しました。