本ブログ初登場、SONYのTC-K7Ⅱです。
オーナー様のお話では、ベルト切れではないかということでしたが、こういった古いデッキでは、メカニカルな部分以外にもさまざまな不具合を抱えている場合が多く、修理は困難を極めることがあります。
動作はしたりしなかったりとかなり不安定です。LCHにハムノイズが乗っているのが少し気になります。また、ハウジングランプとメーターランプが切れています。
点検を進めます。巨大なフライホイールが見えます。1980年頃までの電化製品は、配線の取り回しが煩雑で修理者を悩ませます。
メカは上下に計4本のネジで固定されていますが、取り出すためには左側のコントロール基板が邪魔になりますので、一旦取り外します。
キャプスタンベルトは硬化しユルユルです。
キャプスタンベルトの交換は、モーターの脱着が必要です。
アイドラーが2ケありますが、うち1ケを交換するためにはリールモーターの脱着が必要です。そのためにはこの辺りのレバー等を分解しなければなりません。
順番にパーツを分解し、ようやくモーターを取り外しました。
アイドラーを取り外し、ゴムリングを交換します。
もう一つのアイドラーです。同じくゴムリングを交換します。
カウンター用ベルトも交換します。
ここで一旦組み立てて、動作テストを行います。音が出ましたが、やはりLCHにハムノイズが発生しています。
メンテナンスを続けます。ピンチローラーを新品交換します。
OUTPUT-VOLを脱着し、隙間に接点復活剤を注入します。
ハウジングランプです。
電圧は6Vです。スペアと交換します。
カセットをセットすると点灯します。
VOL基板を脱着し、VOLの隙間に接点復活剤を注入します。
メイン基板上の縦長のスイッチは、再生-録音切替用です。ここにも接点復活剤を施します。
メーターのカバーを外します。ヒューズ型ガラス管ランプですが、同じものの入手は困難ですので、
一般的なリードタイプのものを取り付けます。電圧は6Vです。
ノイズの修理を行う前に分析を行います。100Hz程度の「ブーン」というハムノイズが主にLCHから、キャプスタンモーターのノイズはもっと高い周波数で両CHに混入しています。
ハムノイズは一般的に電源部の電解コンデンサーをまず疑います。今回は片CHのみなので、可能性は低いと考えられますが、ひとつづつ原因と思われるものを潰していきます。
電源部及び再生ラインの電源コンデンサーを交換しましたが、改善は皆無でした。
次はトランジスタです。中には劣化し足が真っ黒のものがありましたが、比較的新しいものも取り付けられていました。また、なぜか回路図とは型番が異なっています。
かなりノイズは低減しましたが、今回はここまでです。