今日はPIONEERのDATデッキ、D-80です。かなり前に取り扱ったことはありますが、ブログでは初登場です。
1年前までは動作していたが、現在はまったく動かないとのことです。
基本操作以外のボタン類は、パネルを開くと現れます。
テープをセットしました。走行はしていますが、音が出ません。
ヘッドの汚れ?と思い少し長めにクリーニングテープを走らせましたが、一向に改善する気配はありません。
カバーを開けました。さすが高級機です。
後継機のD-07等とメカはほぼ同じようですが、コネクタが隠れているため、メカの脱着には底板を取り外す必要があります。
メカを降ろします。
ヘッド故障以外で音が出ないのは、このRFユニットの不具合であることがほとんどです。
基板実装型の電解コンデンサーを交換します。
これで音が出るようになりましたので、メカの整備に移ります。
このメカのウィークポイントのひとつは、ベルトスリップでトレイが開かなくなるというものです。滑りにくいバンコードに交換します。
メカとローディングユニットを切り離します。
全く動かなかったというオーナー様のお話が気になったので、モーターの接点のリフレッシュを行います。まれにですが、「一切動作しない」という事例を経験しますが、ほとんどがモーターの接触不良が原因です。モーターを数時間空転させ、内部の接点の接触不良を解消します。まずはローディンモーター、
続いてパワーモーターです。
ピンチローラーです。
表面を軽く研磨し、専用クリーナーで処理します。
ベルトを新品交換します。
ロータリーエンコーダーを分解し、
接点を清掃、段差を研磨し、スライド接点専用グリスを塗布し組み立てます。
リッドの化粧カバーが剥がれてきていますので、接着剤で貼り合わせます。
各モードでの録音再生状態を確認し、修理完了です。