今日はSONYの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TC-K222ESLの修理を行いました。
2年ほど前に一度修理を行った機体です。
トレイ開閉はOKですが、
再生できません。
一時停止ボタンを押したのに早送りになったりと誤作動します。
まずは誤作動の修理を行います。フロントパネルを本体から切り離します。
ディスプレイ基板を取り外します。そこにタクトスイッチが14個あります。
全数交換します。
続いてメカの整備に移ります。キャプスタンモーターを切り離し、
モーターブロックを取り外し、アシストモーターのベルトを点検します。わずかに弾力が失われているように感じますので、新品に交換します。
新しいベルトを掛けました。
左側ピンチローラーの硬化が進行していますので新品交換します。
メカを本体に組み込んで、動作テストを行います。
ピンチローラー脱着後は、テープパスの点検が必須です。ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視で点検します。
テープ速度の点検を行います。
ヘッドアジマスを調整します。
ここで少し問題が起きました。バイアス調整を行って録音再生モニターしましたが、原音とはかけ離れています。
周波数の異なるサイン波を入力し、それを録音再生モニターしましたが、高域が減衰しています。ヘッドの劣化が原因でしょうか?
基板上のバイアス調整ツマミを回して高域を持ち上げます。
左右同レベルの信号を入力します。それを録音再生モニターし、同じ波形になるよう調整します。右写真の波形が膨らんでいるのは録音ヘッドのアジマスの関係ですが、コンビネーションヘッドでは調整ができません。
数種類のテープで録音再生状況を確認し、完成です。