今年の1月に当店で整備したSONYのDATデッキ、DTC-ZA5ESの再修理です。
再生は良好ですが、録音が不調になったということです。早速CDを録音し、状態を確認します。
録音したテープを再生します。ヘッドからの信号は、最初は良好ですが、1分ほど経過すると、波形に乱れが生じ、ノイズ混じりになります。
再生自体はLONGモードでも良好ですので、最も怪しいのは、このRFアンプです。しかし、スペア品と交換しましたが改善は見られませんでした。そこで、メカ丸ごと、私が所有しているZA5ESに載せましたが、状態は変わりません。しかし、メカに不具合があることはこれで確認できました。
メカ構成部品のうち、ヘッド、キャプスタンモーター、MDボード、ピンチローラーの順に交換を行いましたが、変化は見られません。ここまで半日以上経過し、少し絶望感が漂ってきました。
残るはこのテープガイドです。ガタツキは見られませんので期待はできませんが、これでダメなら、メカごと交換するしかありません。パーツボックスから同じタイプのテープガイドを探し出し、交換しました。
最後の最後にビンゴです。波形が乱れることは無くなりました。摩耗や劣化でテープガイドがほんの僅か不安定になっていたのでしょうか?しかし、残念ながら不具合は完全に解消はされていませんでした。巻き戻し直後の再生時に10秒ほどノイズが混じります。テープ走行ラインに不具合が生じているものと思われますが、修正は困難です。
ジャンクのDTC-A8からメカベースごと移植することとしました。トレイユニットが大きく異なるほかはほぼDTC-ZA5ESと同じです。
A8用からトレイメカを切り離します。
ZA5ESからトレイユニットを切り離します。
A8用のメカベースにZA5ESのトレイユニットを合体します。プレートタイプのヘッドクリーナーや左側のテープ検出スイッチなど、ZA5ESにしか装備されていないパーツも移植します。
これで完全に不具合は解消されました。
念のため、他機種との互換性も確認します。何はともあれ無事修理完了しました。