先日、当店でGX-Z6300EVを修理されたお客様から、もう一台、GX-Z6300EVの修理依頼をいただきました。
トレイ開閉以外は動作しません。
メカを取り出すためにカバーを開けて、フロントパネルを取り外します。
メカを取り出しました。
キャプスタンベルトが切れています。
フライホイールを押さえているプレートを取り外すためには、フロント部の2本のビスも緩めなければなりません。
押さえプレートを外します。モータープーリーにもベルトが貼り付いています。
加水分解で一度溶けたベルトが、乾いています。相当の期間、不動のまま放置されていたものと思われます。
アルコールで綺麗に清掃し、新しいベルトを取り付けます。
フロント部です。
バックテンション用ベルトが無くなっていますので、径35mmのベルトを取り付けます。
VOL類の回りが重いということでしたので。隙間にCRCを注入し、何度かツマミを回転させます。
メカを本体に組み付けましたが、まったく動作しません。どうやらメカを駆動するモーターの不良です。一度回転しだすと回り続けるのですが、テープをセットして低速回転になると停止します。内部の接点に接触不良が起きています。
まずは、モーター内部接点の接触改善を図るため、一旦回転させて、長時間そのまま放置します。途中、何度か状態を確認しましたが、少しリールが回転したと思ったらすぐに停止し、なかなか復活しません。
結局、ひと晩放置しました。これでようやく再生可能となりました。
調整に移ります。まずはテープ速度です。315Hzのテープを再生して調整を行います。
ヘッドアジマスの狂いはほとんどありません。
バイアス調整を行い、左右同レベルの信号を入力します。それを録音再生モニターし、グラフが同じ傾き、長さになるよう調整します。
最後にCDを録音再生モニターし、聴感上の音質を確認し完了です。