今日はPIONEERの3ヘッドカセットデッキ、T-1000Sの修理を行いました。
1990年の発売当時100,000円の高級機です。
早送り・巻き戻しはできますが、再生は動作開始後すぐに停止します。
カバーを開けました。キャプスタンベルトが無くなっています。
化粧パネル、フロントパネルの順に取り外していきます。
メカを目視点検します。
キャプスタンベルトが2本とも溶けています。
溶けたベルトは、ほとんどがモータープーリーに絡まっていますが、あちらこちらに飛び散っています。
オレンジクリーナーやアルコールを用いて清掃します。
新しいベルト(径73mmと63mm)を取り付けました。
これまで修理歴は無いということでしたが、このメカでは珍しく、このベルトが持ちこたえていました。
しかし、これまでの事例から、スリップして不動となるのは時間の問題ですので、新品に交換します。
続いてリール周りに移ります。化粧パネルを取り外します。
アイドラー周辺のパーツを分解していきます。
アイドラーゴムを交換します。
このデッキは、メカが奥まっていて、ピンチローラーやキャプスタンの清掃が大変です。この機会に専用クリーナーで清掃を行います。
メカを本体に戻して動作テストを行います。後ほどアジマス調整を行いますので、まだリッドは取り付けません。
ヘッドアジマス調整を行います。
315Hzのテープを再生してテープ速度の調整を行います。
バイアス調整(オートです)を行った後に、入出力レベルの調整を行います。
CDを録音し聴感で確認を行います。
ヘッドホンVOLにガリが発生していますので、内部からVOL背面の隙間に接点復活剤を注入します。
完成しました。