今回は非常に希少なカセットデッキのメンテナンスを行います。
テクニクスのコンサイス・コンポ(ミニコンポ)を構成するカセットデッキ、RS-M03です。不具合状況は、「VOL類のガリ」と「たまにテープが伸びたような音になる」というものです。
テープ走行はしますが、音が波打ったりと音質不良な状態です。
ピンチローラーの表面にテカりが見られます。専用クリーナーで清掃したところ、かなり音質が安定しました。テープが伸びたような音になるというのは、走行系が不安定だったことが原因でした。
カバーを開けました。大型のフライホイールが目につきます。
まずはOUTPUT-VOLです。確かにガリが出ます。
VOL上部の穴に接点復活剤を注入します。
続いてREC-VOLです。やはりガリ音が気になります。
サイドパネルを取り外します。するとVOL本体が現れますので、先ほどと同様、接点復活剤を注入します。
これでガリは解消されました。
315Hzのテープを再生してテープ速度の点検を行います。聴感でわかるかわからないかギリギリの狂いです。
キャプスタンモーターの背面からドライバーを差し込んで調整します。
続いてヘッドアジマスです。逆位相となっています。
ヘッドの調整ネジを回します。右肩上がり45度に調整します。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音します。
同じ波形になるようにレベル調整します。
数種類のテープを用いて録音状態を確認します。バイアスは固定式ですので、テープを選びますが、TDKのADとの相性が良いようです。
完了しました。