SONYのDATデッキ、DTC-ZA5ESです。
今回の機体は少し深刻です。CLEANINGの表示後にCAUTIONが表示され、操作不能となったため、お客様ご自身で内部を触っているうちにディスプレイが点灯しなくなったということです。
ハウジングランプは点灯していますが、ディスプレイはやはり点灯しません。
カバーを開けました。
電源トランスに施された蝋部分が溶けたと思い、ドライバーで削ったということです。おそらくここにトラブルが生じています。
トランスを取り出して点検を行います。やはり導通がありません。
断線しています。これは修理不可です。
スペア品と交換します。
点灯しました。あとはメカの修理です。電源をONにすると、リールが数秒間高速で回転し、CAUTION表示となります。
メカを降ろしました。
MDボードの半田の状態を点検します。コネクタ部分に怪しい箇所がありましたので、再半田を行います。
しかし、症状は改善されません。
メカを分解していきます。
リングギヤの可動部が途中の状態で固着してます。これが故障の原因でしょうか?
CRCで固まったグリスを溶かしながら除去し、再グリスします。固まりにくいシリコングリスを使用します。
ベルトは新しいものに交換し順番に組み立てていきます。
2DDリールユニットです。
ブレーキの状態を点検します。良好です。
カセットホルダーを取り外します。ホルダーの可動部にグリスアップします。
ピンチローラーを脱着して状態を点検します。弾力は十分ですので、表面を専用クリーナーで処理します。
メカの整備が完了しましたので本体に戻して動作テストを行います。無事復旧しました。
モード別、入出力別の録音再生状況を確認します。
ヘッドホンVOLのガリは、内部から接点復活剤を処置します。
完了です。