SONYのカセットデッキ、TC-K666ESです。
SONYで666という型番は珍しいのですが、この機種は、左右リールがそれぞれ独立したモーターで駆動されるなど、単に555ESと777ESの中間モデルということではありません。
お話しではピンチローラーが固着しているということでしたが、テープをセットしても反応はありません。また、RECボタンの接触不良があるということです。
検出スイッチを指で押し上げると反応するようになりました。接触不良です。
右側のピンチローラーが脱落しています。
カバーを開けました。メカの後部に半固定抵抗がずらりとならんでいます。
まずはメカを取り出します。
カセットホルダーを取り外します。
この機種の一番の特徴の2DDリールメカです。先ほどの半固定抵抗もこのモーターの調整用です。
ピンチローラーアームを取り外します。
取り付け部のシャフトに塗られたグリスが固まっていますので、CRCで清掃します。
左側ピンチローラーも外れそうになっています。なぜこんなんことになったのかはわかりません。
同サイズの新品と交換します。
テープ検出スイッチの接触不良の件ですが、スイッチを押すレバーのストローク不足が原因であることが分かりましたので、レバーとスイッチの間にスペーサーとして1.5mm厚のゴムシートを切り抜いて接着剤で貼り付けました。
また、RECボタンの接触不良も同じ原因でしたので処置を施しました。
無事再生できました。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視で点検します。
ヘッドの調整の詩には、このプレートの脱着を伴います。
再生ヘッドのアジマスを点検します。少し狂いが見られます。
このデッキの調整ネジは、ロック機構が備えられています。
調整後です。
左右同レベルの信号を入力しています。
調整は底板を外して行います。
先ほどと同じ波形に調整します。
CDを録音し聴感テストを行います。
完成しました。ハウジングランプは正面についていて、テープ全体を照らします。また、リール先端のカット部分に光が反射して綺麗です。SONYはなぜ、この2DDリールメカを後継機に搭載しなかったのでしょうね?