TEACのV-6030Sの修理依頼をいただきました。
十数年前に中古購入したデッキで、最近再生不可となったということです。
早送り巻き戻しは正常ですが、再生は、一瞬リールがピクリとしますが、テープ走行しません。
左側のキャプスタンが回転していないのが原因です。このデッキはダイレクトドライブではないので、左側のみ回転しないというのは考えにくいのですが・・・
カバーを開けました。キャプスタンベルトは掛かっていますが、スリップしています。指でアシストしてみると、
とりあえずテープ走行しましたが、ベルトがスリップしているため回転が不安定です。
化粧パネルを取り外し、メカを取り出します。
メカの点検を進めます。
ベルトは加水分解により軟化し弾力が失われています。
ベルトを交換するためには、トレイ開閉用の一部パーツの脱着が必要です。
古いベルトを取り外します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布します。
テープ検出スイッチの接点を清掃します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
フロント部の点検に移ります。
バックテンションベルトが無くなっています。いつからでしょうか?40mmのベルトを掛けます。
ピンチローラーを新品に交換します。
モード検出スイッチの接点を清掃します。
メカの整備が完了しましたので本体に組み込みます。ベルトがグリップしましたので少し回転が高速です。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。かなり速い状態です。おそらく過去にベルトがスリップしている状態で速度を合わせたものと思われます。右写真は調整後です。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアス調整を行い、左右同レベルの信号を入力します。それを録音再生モニターし、バランス調整を行います。
数種類のテープを用いて聴感テストを行い、完成です。