ナカミチのCR-30です。
オークションで入手したものの、再生不良とのことです。
ヘッドホンジャックが破損しています。以前、LX-5でも同様のケースがありました。
テープをセットしました。早送りや巻き戻しは快調ですが、再生を開始すると内部から大きな異音が聞こえ、また、再生音については激しい音揺れが生じています。
カバーを開けて点検を行います。はじめに目に飛び込んできたのは、メカのベルトです。なぜか天然ゴムのベルトが使用されています。
メカを固定しているビスが欠落しています。以前ベルト交換された際に紛失したのでしょうか?
メカを取り出しました。ヘッドホンジャックは先端部が割れてフロントパネルから脱落しています。
まずはベルトを交換します。100均で売られているようなゴムベルトです。こういった類のベルトは厚さが均一でないため、音揺れが発生します。また、このベルトが周辺に擦れて大きな異音が発生していたようです。そもそも、天然ゴムは耐久性がありませんので、こういった箇所に用いるものではありません。オークションでもカセットデッキ用ベルトとして出品されているのを見たことがありますが、決して使用してはいけません。
合成ゴムで製造されたベルトに交換します。本体に仮接続して再生状況を確認します。これで音揺れと異音は解消されました。
点検を進めます。バックテンションベルトが紛失しています。どこに行ったのかというと、
溶けてリールに巻き付いていました。アルコールで清掃を行い、
新しいベルトを掛けます。
テープをセットしたことを検出するスイッチです。接点を清掃します。
ここにもスイッチがあります。モードを検出するためのものです。接点を清掃します。
ヘッドホンジャックを交換します。
メカを本体に組み込み、動作テスト良好です。先ほどとは別物です。
315Hzのテープを再生して速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマスに狂いはありません。
録音ヘッドのアジマスを点検します。左は入力、右は出力の信号です。結構な狂いが見られます。
調整後です。
リッドの窓に曇りが見られますので、取り外して清掃します。綺麗になりましたね。
複数のテープでCDを録音し聴感テストです。
ナカミチが蘇りました。