今年2台目のTEAC V-900Xです。
「テープ走行不良」「ディスプレイのテープポジション表示不良」「dbx使用時にLチャンネル無音」など不具合を抱えています。
再生ボタンを押すと、一瞬音が出ますが、右側リールが回転せずに即停止します。
カバーを開けて目視点検を行います。
リールモーターに電圧は来ていますが、回転しません。そこで、モーター部のギヤをドライバーでつつくと、回転が始まりました。先日のZX-5と同様、モーター内部の接点が接触不良状態だったようです。
とりあえず再生可能な状態になりましたが、このままでは不具合が再発するのは間違いありません。。
モーターのリフレッシュを行います。テープの無いカセットを用意します。
それをセットし、早送り状態で1日放置します。これで内部接点の接触状態の改善が期待できます。
ひと晩経過しましたので、順番に不具合を解決していきます。まずはdbx使用時の問題です。dbxの基板は、本体の右側後部にあって、メイン基板とコネクタ接続されています。以前修理した同型機もそこに不具合が生じていました。
底板を取り外し、dbx基板のコネクタ接続部を点検します。
予想通り、半田割れが生じています。すべての箇所を再半田します。
続いてテープセレクターの接触不良です。
リールモーターの左右にスイッチがありますので、脱着して接点を清掃します。
フロントパネルを取り外します。メカを取り出す際には、メカと本体底部の間に挟まれているプレートを引き抜くと簡単に取り出すことができます。
メカを取り出しました。
カムモーターベルトは健全です。
カセットホルダーを取り外してアイドラーにアクセスします。
ゴムリングは、かなり硬化していますので、新品に交換します。
メカを本体に戻して動作テストを行います。不具合はすべて解消されました。
しかし、RECVOL、OUTPUTのツマミを回すと酷いガリが発生します。内部から、VOL内部に接点復活剤を注入します。
操作ボタンの接触不良も見られます。
再度フロントパネルを取り外し、スイッチボードを点検します。
端子が5ピンのタクトスイッチです。ネットで検索しましたが入手できないようですので、スイッチの隙間に接点復活剤を注入します。
接触不良は改善されましたが、再生が途中で止まってしまいました。リールモーターのリフレッシュは不調に終わったようです。
リールモーターを取り出します。
A&DのGX機と同じリールモーターです。スペア品と交換します。
長時間の走行テストを行います。不具合はようやく解消されました。
315Hzのテープを再生して速度の調整を行います。
ヘッドアジマスに狂いはありません。
入出力エベルの調整を行います。
メーターの左右レベルに狂いが見られましたので、調整します。
数種類のテープを用いて録再テストを行います。40年前のデッキとは思えないほど良好です。
完成しました。