今日は、少し前に当店で修理したPIONEERのT-1100Sに発生したトラブルについてです。その時の修理記事は以下ご覧ください。
その時は、故障の原因である回転センサーの交換に加え、ベルト類の点検、録再調整を行いましたが、修理後そう経たないうちに、「異音が発生した」とのご連絡をいただきました。
オーナー様のお話では、メカの後ろ側から、その音は発生しているということです。前回修理ではメカニカルな部分については左側リールの脱着しか行っていませんので、そのときの修理とは別のトラブルであると予想されます。
いずれにしても修理が必要な状態ですので、機器をお送りいただきました。動作確認を行うと、時間の経過につれ、「キキキー」という耳障りな音が内部から発生します。
カバーを開けて発生源を探します。異音が出ている位置と音の種類から判断すると、キャプスタンモーターの軸受け部のオイル切れが原因と思われます。
粘度の低いCRCでは、すぐに油膜切れを起こす可能性がありますので、スプレー型のグリスを用意します。
モーターのシャフトが垂直になるようにデッキを立てかけ、スプレーを細いノズルに交換し、モーターの軸受け部に微量注入を行います。これで周囲に飛散することなくグリスアップを行うことができます。
異音は完全に解消されました。