A&Dの3ヘッドカセットデッキGX-Z9000です。
オークションで購入したものの、録音時の音質が籠っているということでご依頼をいただきました。
カバーを開けました。
電解コンデンサーの半数以上が交換されています。録音不良の原因が基板にある場合、交換パーツすべてが適正なものに交換されているかを点検しなければなりませんので大変厄介です。
まずは、315Hz、1000Hz、10000Hzの信号が録音されているテープを再生してみます。10000Hzが大幅に減衰していますので、録音だけではなく、再生自体にも問題があります。
ヘッドアジマスを点検します。かなりの狂いが見られます。自然にこれほど大幅に狂うことはありませんので、人為的なものでしょう。
調整を行います。直線の長さは高域の出力です。
高域の出力がアップし各周波数のレベルが同じになりました。
続いて録音状況を確認しましたが、バイアス調整が効きません。VOLが故障しているようです。
メイン基板を取り外し、BIAS-VOLを取り外します。
テスターで点検を行った結果、故障が確認されました。
スペアパーツと交換します。
バイアスツマミを回すと、高域の出力が変化することがわかります。
入出力バランスの調整を行います。
CDを録音再生モニターし、聴感で音質を確認します。
修理完了です。