自分用にダブルカセットデッキを購入しました。ダブルデッキのうち、リレー再生できる機種は長時間再生ができて便利、ということが今回入手した理由です。
SONYのTC-WR965Sです。ジャンク品ですが、オークションで送料込み5500円でした。
なぜこの機種を選んだかというと、メカがESシリーズのものをオートリバース化しているため、比較的信頼性が高いということと、パーツの互換性がありメンテナンスに都合が良いからです。TC-WR990も同様のメカを搭載していますが、このデッキの方が安価で取り引きされています。
デッキBのトレイが破損していたりと、さすがにジャンク品でしたが、在庫パーツと交換、もちろんベルト類も交換し、修理調整を終えました。
オートリバース動作も含め、快調に動作していましたが、1時間ほど経過したころに突然、デッキAが途中でリバースしたと思ったら、停止してしまいました。
カセットを取り出すと、テープがケースから引き出された状態でした。リールの回転が何らかの理由により停止したときに起こる状態です。
早速メカを降ろして点検します。予想通りアイドラーギヤの歯が欠けています。
手持ちのパーツと交換します。この半透明タイプのギヤはダブルデッキに採用されていて、右側に写っているのESシリーズの白いタイプに比べると経年劣化により破損しやすいことが知られています。
修理を終えて動作確認を行います。リレー再生で長時間のテストを行っていると、今度はデッキBに先ほどと同じ症状が発生しました。
デッキAと同じようにギヤが破損しました。光の当たり具合で色が異なるように見えますが、まったく同じ半透明のタイプです。こんな短時間に両方とも破損するということは、相当脆くなっていたということです。プラスチックは、成分によっては、時間の経過により性質が変化し、強度低下により破損に至ることがあるので、まさに今回はそれが原因と思われます。
ようやく修理完了です。誰かアイドラーギヤを3Dプリンターなどで製作してくれませんか?