2台修理依頼をいただいたDENONのデッキのうち、2台目、DR-M35HXです。
テープ走行不可ということです。
電源を入れると異音が発生します。
カセットハウジング内の化粧パネルを取り外します。1台目とは異なり、黄色のハウジングランプのすぐ後ろにアイドラーが隠れています。
カバーを開けます。
リールモーターは、メカを降ろさずに脱着可能です。
ハウジング内のランプとリールを取り外すとアイドラーが現れます。
ゴムリングが硬化していて取り外し作業が難航し、元々のものはボロボロになってしまいました。類似サイズのものと交換します。
元通りに組み立てます。
動作テストです。
片チャンネルの音量が不安定です。モニタースイッチを何度か押すと改善されますので、接触不良が原因です。スイッチの隙間から接点復活剤を注入します。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。
調整ツマミを回して合わせます。
ヘッドアジマスを調整します。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしバランス調整を行います。この機種は、テープポジション別のレベル調整が必要です。
この機体も1台目のDR-F7と同様、テープ走行が途中で停止してしまいます。同様に長時間リールを空転させて、内部接点の自己復旧を促します。しかし、丸2日以上経過しましたが、やはり、リールの回転が遅くなるテープ後半では停止してしまいます。
モーターは入手不可です。そこで、より高速で回転させるため、一旦モーターを取り外し、少し高めの電圧を直接印加します。
モーターの復旧に3日以上要しましたが、ようやく完了しました。