少し前に、動作不良ということで当店で修理したPIONEERのDATデッキ、D-07Aのことです。お客様に納品後、「修理前からの不具合になるが、テープの1曲目の冒頭でのみノイズが混入、または無音状態が発生する」とのご連絡をいただきました。
当店での録音再生テストは、テープの状態が安定していないテープ冒頭では行いませんので、修理時の動作テストではそういった現象は確認していませんでしたが、テープと機器をお送りいただき動作確認を行うと、確かにお客様が仰るような状態が発生することが分かりました。
テープを見てみると、リーダーテープとのつなぎ目でできた段差が見られましたので、最初はそれが原因であろうと思っていましたが、他の機器でそのテープを使用しても不具合は発生しません。ということは、デッキ自体に問題があるということです。
メカを取り出しました。裏返すと、
ここにバックテンションを掛けるためのスプリングがあります。調整式になっていますので少し強めにします。すると、不具合は一切発生しなくなりました。
今回の機器の不具合は、テープの段差が原因のひとつであったのは間違いありませんが、バックテンションが弱いため、ヘッドとのタッチが悪くなっていたようです。無事解決できてひと安心です。