これまで何度か取引をいただいている方から修理依頼をいただきました。
TASCAMの122です。
再生を開始すると異音が聞こえますがテープ走行はしません。トレイ開閉も緩慢で完全に開ききらないことがあります。また、ハウジング内のランプが点灯していません。
カバーを開けました。大型のメカです。
フロントのパネル類を取り外します。
メカは比較的簡単に取り出すことができます。
このリール間のランプが切れています。電圧は7.2Vですが、手持ちのパーツが無いので、この後必要になるアイドラーゴムと共に発注します。
少し日数を要しましたが、パーツが到着しました。
まずはハウジングランプを交換します。
整備を続けます。キャプスタンベルトは、加水分解により切れてモータープーリーに巻き付いていました。
メカを前方に倒します。右写真の糸巻きは、トレイ開閉のショックを吸収するダンパーです。
モーターのプレート、フライホイールを取り外します。
左右リールを駆動するリールモーター、アイドラー等が現れました
リールユニットを取り外します。同じサイズのアイドラーゴムが2ケ取り付けられています。
特注した新品と交換します。23mm*17mm*2mmです。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルト(径97mm)を取り付けて元通りに組み立てます。
一旦本体に組み付けて動作確認を行います。
再度整備を続けます。カウンター駆動用のベルトを新品交換します。折長110mmです。
ピンチローラーは弾力がありますので、表面を軽く研磨し専用クリーナーで処理し再利用します。
リールのブレーキ用パーツが劣化により破損しています。
シリコンチューブで代用します。左右とも交換します。
トレイ開閉の調整を行います。ダンパーの巻き数を3巻きから2巻きに減らしてクッションを弱めます。開閉状態は良好です。
調整前でも音質は十分良好です。
調整に移ります。315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。1%以上の狂いがあります。
このツマミで速度調整を行います。左は倍速時、右がノーマルです。
調整後です。
倍速時も調整します。
ヘッドアジマスに狂いはありません。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしバランス調整を行います。
複数のテープで録音再生状況の確認を行い、完成です。