少し前に当店でDATデッキを修理されたお客様からのご依頼です。
AKAIの3ヘッド・デュアルキャプスタン・カセットデッキ、GXC-750Dです。左右リールに独立したモーターが装備されているというオープンリールデッキの技術が投入されたデッキです。
不具合の状況ですが、オーナー様曰く、右CHに常時風切り音のようなノイズが発生するということです。
音量が大きいときは気になりませんが、
ブランクテープを再生すると、右CHのみノイズが発生します。また、電源をONにした直後は、右CHから音が出るまで少し時間が掛かります。
カバーを開けます。右写真に写っているのが再生回路です。これらの中のどこかに故障が起きていると思われます。
まずは劣化しやすいパーツのNO.1、電解コンデンサーを交換します。しかし改善はみられませんので、続いてDOLBYのICを左右交換しましたが同様でした。最後はトランジスタです。順番に左右交換を行っていきます。
遂に引き当てました。取り外すとトランジスタの脚が黒くなっていました。マイグレーション現象によりトランジスタ内部に異変が起こっているようです。2SC458という型番のトランジスタですが、代替品として2SC1815を取り付けます。
先ほどと同様、ブランクテープを再生します。ノイズは消えました。
ノイズの発生は厄介な故障のひとつですが、無事クリアできてひと安心です。