オーナー様が学生時代に苦労して手に入れたという、思い入れのあるデッキ2台の修理依頼をいただきました。一台はSONYのDTC-57ESで、こちらは後日記事をアップ予定です。もう1台はKENWOODの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、KX-7030です。
20年近く放置状態だったということです。
トレイは電動OPENしましたが、テープをセットしてもまったく動作しません。
カバーを開けます。予想通り、キャプスタンベルトが溶けて、プーリーに絡みついています。
化粧パネルを取り外し、フロントパネルを前方に引き出します。これでメカを固定しているビスを緩めることができます。
メカを取り出しました。ベルトが切れています。
メカを前方に倒して背面のパネルを取り外します。
巻き付いているベルトを除去し、アルコールで拭き取ります。
新しいベルトを掛けます。
バックテンション用のベルトも溶けて無くなっています。
溶けたベルトが張り付いています。除去し、新しいベルトをセットします。
ヘッドは錆が浮いています。ザラツキが無くなるまで研磨材で磨きます。ピンチローラーは専用クリーナーで処理します。
メカを本体に戻し走行テストを行います。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。ベルト交換したため、結構な誤差がありますので調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしてバランス調整を行います。
複数のテープで録音再生状況を確認し、完成です。