SONYのダブルオートリバースカセットデッキTC-WR965Sの修理依頼をいただきました。ダブルデッキは私も仕事中のBGM用として愛用していますが、個人的には、ESデッキのメカをベースに開発されたメカを搭載しているこの機種や、820、870、990辺りがお勧めです。しかし、今回新たな問題が発覚しました。
再生中に異音がするということと、FWD・REVの誤作動があるということです。
デッキAはオートリバースも含め普通に動作しますが、デッキBはダメです。また、デッキBからは常に「カタカタ・・・・」といった異音が聞こえます。
カバーを開けてメカを目視点検します。ここで驚きの光景が・・・。
フライホイールが偏心して回転しています。ビデオをアップしましたのでご覧ください。
なぜか原因はわかりませんが、デッキBも同じように.偏心しています。まずはメカを降ろして分解してみます。
先ほどのフライホイールです。至る所にひび割れが生じています。
左は正常品です。ひび割れしているほうは、中央部が飛び出ているのがわかるかと思います。
力を入れるとキャプスタンの圧入部分が外れてしまいました。ひびが入ったことで緩みが出て、回転が偏心していたようです。
もう片側の小さいフライホイールにはまったく異常は見られませんが、製造時の原料や製法に問題があったのではないかと思われます。
結局、今回修理依頼をいただいた機体は、このフライホイールの交換、異音を発していたモーターの交換、劣化しているピンチローラーの交換などが必要な状態でしたので、修理費用が当初の見積もりを大幅に上回ったため、修理は中止となり、ジャンク品として当店で買い取ることとなりました。時間のあるときに整備を行い、復活を目指したいと思います。